Architecture

奈良県と京都府の2つの廃校舎を移築し、
3棟のパビリオン建築として生まれ変わらせています。

パビリオンには、廃校となった奈良県十
津川村立折立中学校と京都府福知山市立

見小学校中出分校の校舎を活用してい
ます。

3棟はいずれも昭和前半に建てられた、
歴史ある木造校舎です。
校舎の残す部分と大胆に変える部分を混
在させ、単に移築物として昔のノスタル
ジーを味わうのではなく、建築に刻まれ
た時間を少しずつ丁寧に分解した上で、

しい建築に生まれ変わらせることを目
指しています。

旧折立中学校校舎のイメージ画像
旧折立中学校校舎
奈良県十津川村、2012年閉校。
1952年築の南棟はエントランス棟に、
1958年築の北棟は「森の集会所」に。
旧細見小学校中出分校のイメージ画像
旧細見小学校中出分校
京都府福知山市、2003年閉校。
1930年築、平屋建ての校舎はシアター棟に。
コメント
建築設計

周防貴之株式会社SUO

この建築は、廃棄物の埋立地である夢洲に立つ、古くて新しい建築です。社会の変化によって役割を失い、解体が決まっていた建築、もしかしたらこの土地の一部として埋まっていたかもしれない建築。夢洲という場で、この廃建築にパビリオンという役割を与えることは、意味のあることだと思いました。代々、大切に使われてきた建物を丁寧に解体し、一つ一つ部材をチェックし、また一つ一つ部材を組み立て、パビリオンとして新しい形に作り上げていく。気の遠くなるような作業の積み上げでしか作ることのできないこの建築は、効率を重視することに慣れた私たちには異様に映るかもしれません。一見、古くて、ボロボロの建築だけれど、世界中から人々が集まる万博という場で生き生きとした姿を見せて欲しいと思っています。私たちの世代が、こうした建築や物事のあり方を美しいと感じられる世代でありたいという願いを込めて。

移築前の校舎の様子をご確認いただけます。
ご自身の手で操作しながらご覧ください。

2023年に建築を移築開始
2023年に建築を移築開始
2023年10月14日には、京都府福知山市三和町の旧細見小学校中出分校舎の出発式が開かれ、河瀨直美プロデューサーが、地元の小学校2年生の児童3人から分校の「卒業証書」を受け取りました。
コメント

河瀨直美

2つの校舎は、昭和初期より時代を超えて、人々に共有されてきた記憶が宿る美しい佇まいの建築でした。初めて訪れたにも関わらず、昔からここを知っていたかのような懐かしさを感じさせてくれたと同時に、これまで大切にしてこられた場所であることも、ヒシヒシと感じました。この廃校となった校舎を活用し、パビリオンに新しいいのちを吹き込みたいと思います。

解体した校舎を会場で再度組み立て

一つ一つ丁寧に解体した校舎の部材を会場に運び、再度パビリオンとして組み立てを行なっています。
エントランス棟とシアター棟は校舎の木造躯体だけでなく、瓦屋根や板張りの壁もできる限り利用し、
古い木材や瓦と、真新しいコンクリートやガラスが交じり合った建物になります。
柱や梁に残るこの学校に通った子供たちの落書きなど、建物に刻まれた時間や記憶を大事にし、
新たないのちを吹き込みます。

2023年に建築を移築開始 2023年に建築を移築開始