Ending Movieエンディングムービー

対話を締めくくるエンディングムービーは、
河瀨直美をはじめ、世界6カ国の監督が「対話」をテーマに制作。
どの監督の作品が流れるかはその日のお楽しみ。

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アーサラン・アミリ

イラン

クルド系イラン国籍の監督・脚本家。デビュー作『ZALAVA』(2021年)はヴェネツィア国際映画祭で批評家週間賞グランプリとFIPRESCI賞を受賞。カンヌ国際映画祭のある視点部門で「期待ある新人賞」を受賞したアイダ・パナハンデの長編映画『NAHID』(2015年)では、脚本と編集を手掛けた。脚本家、編集として携わるシリーズ作『AT THE END OF THE NIGHT』は、現在、Sreismania祭の受賞候補として選出されている。

イランにいる500万人のアフガン難民にとって、タリバン支配下の故郷に戻らざるを得ない状況に置かれることは、悪夢と同じです。
特に女性たちにとって、タリバン政府との対話を持つことや、基本的な自由が認められる可能性は皆無とも言えます。
彼女たちにとって対話とは、ただ基本的な必要性を満たすためにあるのではなく、生存そのものと直結しています。
このムービーでは、夢を見つけ追い求めるという、多くのアフガン女性が奪われた権利を、ファイゼという女性が対話をもって記します。
彼女がアフガン女性たちの静かな声となることを願っています。

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ジョシュア・トリッグ

イギリス

イギリス・ウェールズ出身の監督・脚本家。ラオスを舞台に、ある少女のアイデンティティの探求と変化を描く長編映画デビュー作品『Satu - Year of the Rabbit』は、さまざまな国で注目を浴びる。同作は、インド国際映画祭ユネスコ・ガンジー平和賞ノミネート、英国インディペンデント映画賞2部門ノミネート、BAFTAサイマル賞受賞など、数々の賞を受賞。また、2024年なら国際映画祭ではインターナショナルコンペ部門の最優秀作品賞受賞を果たした。

分断が進む現代世界において、有意義な対話と真の人間交流がこれまで以上に重要になっています。
このムービーでは、ロンドンに住むフランス系モロッコ人移民のサルが、彼女の人生の方向性を形作った、トラウマ的でありながらも自身に変革をもたらした経験について語ってくれます。
サルはこの気づきを通して、自分自身だけでなく、彼女を取り巻くコミュニティにも癒しを見出しました。
グレンフェル・タワーの影でキノコ園の運営をしながら、サルは私たちに、真のつながりは誠実なコミュニケーションと耳を傾ける事、そしてお互いのためにそこにいる、ということから生まれることを教えてくれます。

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ケレン・ベン・ラファエル

イスラエル

イスラエルとフランスを拠点に活動する脚本家・監督。テルアビブ大学で哲学とフランス文学を学び、2009年にラ・フェミスの監督科を卒業。長編映画デビュー作『エンド オブ ラブ』(2019年)は、第76回ヴェネツィア国際映画祭のビエンナーレ・カレッジ・シネマ部門に選出され、2020年なら国際映画祭のインターナショナルコンペ部門で最優秀作品賞を受賞。最新の監督作は、HBO Maxのドラマシリーズ『Reformed』。

イスラエル人とパレスチナ人は、お互いを憎み、恐れるように教えられています。
しかし、イスラエル人の私の母にはパレスチナ人の友人がいます。
私の母も、母の友人も、この恐ろしい紛争で大切な誰かを失いました。
でも、彼女たちはお互いに進んで会話をし、耳を傾けます。2人の友情は、国境や政治を超えているからです。
「私たちが話さなければ、終わらない」。これは、彼女たちが参加している「イスラエル・パレスチナ遺族による平和の会」のスローガンです。
対話は変化の始まりです。
対話こそが、紛争から抜け出す唯一の方法です。

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レシア・コルドーネッツ

ウクライナ

ウクライナ出身の監督・映画編集者。動乱する母国の情勢を背景に育ち、東欧における民主的責任と市民参加を促進するテオドール・ホイス・コレギウムプログラムを修了後、2008年にスイスへ移住。2020年にはチューリッヒ芸術大学で監督と編集を専攻し、学士号と修士号を取得。初の長編ドキュメンタリー作『PUSHING BOUNDARIES』(2021)は、第52回ヴィジョン・デュ・レールでワールドプレミアを迎え、ZONTA賞を受賞、ほか世界各地の映画祭でも高い評価を得る。

このムービーでは、退役軍人のヨナが、戦闘下のウクライナで体験したいくつかの対話を語ります。
戦線に向かう道中での、初めて出会うウクライナ人との会話や、交戦直後の、敵であるロシア軍の相手と交わす会話などです。
これらの会話はヨナの内にある疑問や想いなど、多くの感情を照らし出し、この戦争から揺さぶるられる彼の心を映し出します。
そしてそれらは、ヨナが直面した”対話の力”だけではなく、私たちが戦争と道徳についての複雑な議論を進める上での対話の重要性も浮き彫りにしています。

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ペドロ・ゴンザレス・ルビオ

メキシコ

ブリュッセル生まれ、メキシコ国籍の監督。ロンドン・フィルム・スクールでシネマトグラフィーを専攻。監督デビュー作となる『ALAMAR』(2009年)は、ロッテルダム国際映画祭タイガー・アワードほか世界各国で15以上の賞を受賞。なら国際映画祭が企画するNARAtive映画製作プロジェクトで監督を務めた長編2作品目『祈/Inori』(2012年)は、ロカルノ映画祭の新鋭監督部門最優秀賞を受賞。ミュージカルドキュメンタリー長編映画『CON ALMA』(2024年)では、マルタ・フェレルと共同監督を務める。

このムービーは世代と文化を越えたつながりが持つ癒しの力を描いています。
うつ病に悩む高齢の女性オリヴァと、若いコロンビア人学生トマスを題材に、何気ない対話と時間を共有することが、世代や文化の壁を越えることにつながること、コミュニケーションを通じ共感しあうことが、居場所を感じ、生きがいを育むことにつながることを映します。
そして、孤独や老いという普遍的な課題を身近な視点で捉えながら、同時に、日常の何気ない対話に焦点を当てることで、思いやりのある社会を築く上でのつながりの重要性と、日々の経験を共有することがもたらす変化の力を観る人たちに問いかけます。